発注ミスって倉庫が伊右衛門で埋まった話。
「失敗を恐れて動けない人」が多い。
これは学校教育、また、それが始まる家庭教育からの教えなのだと思う。
著名人達が口を揃えて言った辞書にすら載っている言葉。
「失敗は成功の元」
その失敗が許されない世の中になって行っている感。
最近そんな感覚をそこら中で感じる。
大学で教職を取る過程で中学生、高校生、
また、彼らを教えている先生と話す機会が多かったが、
どの先生も「失敗をしないためには」がもはやテーマなんじゃないかくらいに
失敗はよくないことのように教えていた。
そして教えられている生徒達も
失敗は恥ずかしい。失敗したらどうしよう。
そんな感情が渦巻いているのか、手を挙げる生徒はまばらで
いつも同じ生徒が手を挙げ発言し教師もそれを許容していた。
恐らくそんな学校教育から学んだ生徒が今の社会に生きているのだろう。
これは現代社会の弊害だし、誰も悪くない。
ただ、この記事を読んでくれた人には少なくともそうなって欲しくないと思う。
僕は高校生の時、大きい失敗をした。
当時コンビニエンスストアでペットボトル飲料の発注をしていた時の事だ。
突如、通常の納品に来たドライバーさんの口からとんでもない言葉が聞こえて来た。
「伊右衛門がなんか約2000本来てるんですけど...」
僕は「ふぁ!?」という一言とともに事務所のパソコンにかじりついた。
いや、噛み付いた、くらいの表現のほうが正しいのか。
みた事もない数字の飲料が発注されていたのだ。
500ml、1L、2Lとそれぞれの伊右衛門が合わせて約2000本来たのである。
ケースにして約100ケースくらいだったか。
飲料の売り場をウォークインと呼ぶのだが、とてもじゃないが入りきらない。
幸い私の店舗には電機室という電気系統の点検用の部屋があり、
そこに格納する流れになった。
格納は出来た。店長は怒る事を忘れ唖然とするばかり。
時々Twitter等で画像が回っているあの「発注ミスりました助けてください」
の状態である。
さあどうする。
コンビニというのは面倒で、
- 返品が組織的に厳しい(恐らく本部が返品を受け付けるのが面倒なため。)
- 値引きをするにも本部の許可が必要で、査定が入る
ため、半値で叩き売ることや、本部に返品する事も厳しい状態なのだ。
つまり値段は変えずに販売数を爆上げするしかない。
とりあえず3ヶ月で全て売れ、店へのダメージは最小限にとどめる事が出来た。
方法に興味がある人はコメントに一言貰えれば次回の記事で書きたいと思うのでぜひ
コメントください。
確かに私は大失敗した。
しかしスピード解決と対応力でなぜか最後は店長に褒められたのである。
何が言いたいかというと、人間はミスをする生き物であり、
組織の人間はある程度それを承知している筈である。
むしろ承知出来ていない人間がいるならそれはその人間が悪い。
気にせず失敗すればいい。
それを踏み台にして成長し、その組織に貢献すれば将来的に組織にとってプラスになるのだ。
大抵の失敗はどうせ死なないしやり直しは利くのだから。
ただ、やはり同じ失敗は二度三度したくないししないにこした事はないし、
もう伊右衛門地獄はこりごりです。
美味しいですよ。ええ、美味しいは美味しいんです。
ただ、自業自得ですがトラウマ物です。
購入される際はくれぐれも数にはご注意を!
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